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2021年12月23日(木)  クリスマスのまえのばん Twas the Night Before Christmas

サンタクロースがやってきた
(A Visit from St. Nicholas)

ヘンリ・リヴィングストンJr. ぶん

おおくぼゆう やく


クリスマスイヴのこと どこの おうちも
ひとも ネズミも ひっそりしてる
だんろのしたには くつした ぶらりん
サンタが くるのを いまかと まってる

こどもたちは ぐっすり すやすや
おかしの ゆめを みてる さいちゅう
つまは スカーフ ぼくは ぼうしを かぶって
ねむろうと ベッドに ついた そのとき

そとから ものおとが きこえてきたから
ぼくは とびおきて たしかめにいったんだ
ものすごい はやさで まどに かけより
かぎを はずして がらがら あけて

つもったばかりの ゆきが おつきさまの
ひかりで おひるみたいに あかるくって
びっくりしてると なんだか みえたんだ
ちいさなそりと ちっちゃなトナカイ 8とうも

のってる おじさんも げんき いっぱい
きっと サンタクロースだって おもってね
とんでく トナカイは とりよりも はやく
サンタは くちぶえふいて なまえを おおごえで

「おい ダッシャー ダンサー プランサー ヴィクセン!
 そら コメット キューピッド ダンダー ブリクセム!
 やねを のぼって かべを のぼって
 ゆくぞ ゆくぞ そらゆくぞ!」

あらしに まきこまれた おちばみたいに
あたる てまえで まうえに あがって
トナカイは やねのうえへ たどりつき
そりは おもちゃ まんさい サンタも いるけど

すると すぐに やねのうえから おとがして
トナカイの ひづめが ぱからん ぱからん
あたまを ひっこめ ふりかえってみると
どすんと サンタが えんとつを おちてきて

うえから したまで ふわっふわの ふく
どこもかしこも はいと すすで まっくろけ
おもちゃの ふくろを どさりと おろして
だいじそうに なかを あけてさ

めは きらきら えくぼも にっこり
バラいろ ほっぺに さくらんぼの おはな
おどけた くちは ゆみの かたちで
あごひげは ゆきみたいに まっしろ

くちに くわえた パイプの けむりが
あたまのうえで うずを まいてて
まっかな おかおに でっぷり おなか
おおきく わらえば おなかも ぷるぷる

ぽっちゃりした ゆかいな おじさん
おもわず ぼくも わらっちゃって
こっちが こわがってないと わかると
くびを かしげて ウインクくれて

それから なんにも いわずに そのまま
くつしたに プレゼントを いれて くるり
ゆびを くちに しっと あてて こくり
うなずいて えんとつを のぼっていった

サンタが そりに のって くちぶえ ふくと
トナカイは はしりだして ふわふわ そらのむこうへ
でも みえなくなる まぎわに きこえてきたんだ
メリークリスマス おやすみ! ってね



翻訳の底本: Henry Livingston Jr. (1823) "Account of Visit from St. Nicholas"
   上記の翻訳底本は、著作権が失効しています。
   2002(平成14)年10月1日翻訳
   2004(平成16)年12月24日微修正
   2012(平成24)年6月14日改訳


※この翻訳は「クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンス」(http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/)によって公開されています。
上記のライセンスに従って、訳者に断りなく自由に利用・複製・再配布することができます。
※翻訳についてのお問い合わせは、青空文庫ではなく、訳者本人(http://www.alz.jp/221b/)までお願いします。
翻訳者:大久保ゆう
2014年4月28日作成
青空文庫収録ファイル:
このファイルは、著作権者自らの意思により、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)に収録されています。


2021年12月21日(火)15:23  誕生石リスト【1月】

■1月の誕生石


柘榴石(ガーネット・Garnet)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ フランス 日本
石言葉:真実・友愛・忠実

珪酸塩鉱物のグループの鉱物。
日本語表記は柘榴石/石榴石、紅榴石(こうりゅうせき)。

英名はのガーネットラテン語のgranatum(種がたくさんある/ざくろ)を語源としています。

貞操、真実、友愛、忠実、努力、そして向上と繁栄を象徴します。
古代では血液に関する病気の治療に使われました。
忍耐力や持久力をつけ、積極性を高めるとされます。
現状を打破し、新たなことを始めるとき(就職活動・面接・受験・試合)、不安を打ち消したい時ときに。

ガーネットの結晶にはガラス状の光沢があり、透明度はさまざま。
色は含有物の割合によって無色・黄・褐・橙・赤・緑・黒などががあります。



不透明〜半透明の深い赤(赤ワイン色)のものは「アルマンダイン(アルマンダイト)ガーネット(鉄礬柘榴石)」
この石の産地・加工地であった小アジアの「アラバンダ(Alabanda)」という地名が語源。
鉄やアルミニウムを含みます。
石言葉は「実行力の勝利」


透明感のある深い赤(血の色)のものは「パイロープガーネット(苦礬柘榴石)」
語源はギリシア語の「pyropos(炎)」
マグネシウム・アルミニウムを含みます。
外見ではアルマンダインと区別が付きづらいため、市場では混同されて出回っています。
(成分鑑定すれば判るのですが、鑑定料の方が高くなってしまいます……)
石言葉は「燃える恋・業火(悪を滅する地獄の炎)」



紫色を帯びた赤色を発するものを「ロードライトガーネット(和名:薔薇石)」と呼びます。
ギリシア語の「Rhodo(薔薇)」と「Lite(石)」が語源。
アルマンダイトとパイロープの中間の組成。
石言葉は「アクティブな愛」


オレンジ色の美しいものは「スペサタイト(スペサティン)ガーネット(満礬柘榴石)」と呼ばれます。
語源はドイツの産地で、バイエルン州のSpessart。
マンガン・アルミニウムを含みます。
柑橘類のマンダリンを思わせるオレンジ色の濃いものは「マンダリンガーネット」とも呼ばれます。
石言葉は「裕福」


「グロッシュラー・ガーネット(灰礬柘榴石)」
カルシウム・アルミニウムを含むガーネット。
マンガンや鉄を含み、褐色からオレンジ色を発するのものは「ヘソナイト」と呼ばれます。
さらに赤みの強いオレンジの物は「シナモンストーン」と呼ばれます。
石言葉 : 「安らぎ」


バナジウムと鉄の混入により、エメラルドグリーンを発色するものは「ツァボライト」(ケニアのツァボ国立公園で産出されたことにちなみ、発見時にティファニー社社長だったプラット氏が命名)と呼ばれています。
これはグリーンガーネットとも呼ばれています。
石言葉は「影響力」



「アンドラダイト(灰鉄柘榴石)」
カルシウム・鉄・珪酸塩を含むガーネット。
クロム分を含んだ黄緑系色のもので、特にダイアモンドのような「虹の輝き(ファイアー)」を発し、「ホーステイル(馬のしっぽ)」状のアスベストインクルージョンがあるものを「デマントイドガーネット(DEMANTOID)」と呼びます。
一般流通が少なく希少価値の高い「宝石」です。
石言葉は「疾走」


2021年12月21日(火)15:23  誕生石リスト【2月】

2月の誕生石


紫水晶(アメシスト・アメジスト・Amethyst)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ フランス 日本

石言葉:誠実・心の平和・酔いが醒める
鉄イオンと深い地層の微弱な放射線によって紫を発色した水晶。
英名はローマ・ギリシャ神話の酒の神バッカス(デュオニソス)の物語にちなむ「a-methu(酔わせない)」で、そこから悪酔いを封じるお守りとされています。
精神を安定させたいとき、パートナーとの相性を深めたいとき、学問に打ち込みたいときに。
酒酔い・車酔いにも効果あり。
高温や日光にによって退色しがちですので、屋外で長時間放置することは避けて下さい。
加熱すると黄色く変色します。
人工的に加熱処理したものがシトリンとして流通しています。

酒の神にして酔っぱらいの神バッカス(デュオニソス)は、悪酔いしては不作法を繰り返した。それを月の女神ダイアナ(アルテミス)に咎められ、二人は仲違いした。
バッカスは腹いせに「最初に出逢った人物を豹に襲わせる」と決めた。
そこに運悪しく通りかかったのは、ダイアナ神殿に仕えるニンフ・アメシスト。
信心深く清楚な彼女は、神々からも深く愛されていた。
バッカスの放った豹の牙があわや彼女を食いちぎろうとした瞬間、ダイアナは彼女を小さな水晶(大理石とも)に変えた。
石と化したアメシストの美しさに心奪われたバッカスは、悪行を悔いた。
そして彼が守護する物……葡萄酒をアメシストに注いだ。
すると石は美しく澄んだ紫色に染まった。




クリソベリルキャッツアイ(Chrysoberyl Cat’s Eye)
誕生石に指定している国: 日本
新たに2月の誕生石に加えられました。(2021年12月20日改訂)

和名は猫睛石。猫目石。
金緑石(クリソベリル Chrysoberyl)の変種の一つで、シャトヤンシー(猫目効果)のあるもの。
地色がハニーカラー(濃い蜂蜜色。ブラウンに近い深みのある黄色)やアップルグリーンの物が高価であるとされます。
ハニーカラーの地にはっきりとした白い猫目が出るものを「ミルクと蜂蜜効果」(ミルク アンド ハニー/Milk and honey)と呼び、これを最高級とします。

かつては単にキャッツアイ/猫目石といった場合にはこの石を指すことが多かったのですが、キャッツアイは光の効果の名称であり、クリソベリル以外の石にも現れることがあるため、厳密に「クリソベリルキャッツアイ」と呼んだ方が混乱を招くことがないでしょう。

硬度は8.5

産地はブラジルやスリランカなど。

石言葉は、驚嘆(その美しさに驚嘆する)、悪霊を遠ざける


2021年12月21日(火)15:20  誕生石リスト【4月】

4月の誕生石


金剛石(ダイヤモンド・Diamond)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ フランス 日本

石言葉:清浄無垢・純潔・永遠・不変

ギリシャ語のadamant(不屈)が転じたラテン語のadamas(征服せざるる者)を語源としています。
硬く、加工しづらいことから、正義・普遍・永遠を象徴する石として尊ばれています。
地球上でもっとも硬い鉱物ですが、力が一定の方向に加わると、簡単に割れてしまうことがありますので、指輪として身につけるときはぶつけないように気をつけて下さい。
愛の誓いに、潜在能力の活性化に、勝利を求めるときに。




モルガナイト(Morganite)
誕生石に指定している国: 日本
2021年12月20日に4月の誕生石の一つに加えられました。

和名はモルガン石。
発見者である宝石愛好家のJ.P.モルガン氏に由来。
別名はピンクベリル(pink beryl)。 ベリル鉱物グループの1種。
色はピンク、ピンクがかったオレンジ。
硬度は7.50〜8.00。

1911年にマダガスカルで発見された、ピンク色のベリル(緑柱石)。
色は、微量のマンガンを含むことによって発色。
主産地はアフガニスタン、ブラジル、マダガスカル、ナミビア、ロシア、アメリカなど。


石言葉は:謙虚、自立、清純、優美、愛情の本質 、洞察力の向上




白水晶(ロッククリスタル・Crystal)水晶
誕生石に指定している国:イギリス

石言葉:浄化

水晶(クオーツ・Quartz)の仲間の中で、透明な物を特に白水晶・クリスタル(またはロッククリスタル)と呼びます。
語源はギリシャ語で氷を表す「krustallos」。
古くは水(あるいは氷)が化石化したものと考えられていました。
水のように清浄で、透き通った輝きから、洋の東西を問わず「優れた力を持っている」信じられてきた鉱物です。
精神を高め、疲れた心身を癒すとされます。
邪気を払いたいとき、霊的な防御が必要なとき、潜在能力を開花させたいときに。




風信子石(ジルコン・Zircon)
誕生石に指定している国:オーストラリア

石言葉:幻覚・夢想・成功

赤や黄色、褐色系の色のものが多く産出されてきたことから、アラビア語のZARQUIN(朱色)、またはスペイン語のZARGUN(金色)を語源として名前が付けられました。
無色、青色、黄色、赤色、褐色、緑色、オレンジ色など様々な色を発します。
その中で青い物が12月の誕生石として珍重されています。

また、透明な物や合成ジルコニアはダイヤモンドの代用品として4月の誕生石の一つとして数えられることもあります。

安らぎ・純粋・夢想・幻覚を象徴しています。
芸術的なアイディアが欲しいときに。




青玉(サファイア・Sapphire)
誕生石に指定している国:フランス

石言葉:誠実・徳望・慈愛

ラテン語のsapphirus(青)を語源としています。

古代にはは「青い石」の総称でしたが、現在は「赤くない(つまり、ルビー以外の)コランダム」の総称となっています。

そのため、ピンク色のコランダムは青くなくても「ピンクサファイア(桃色の青い石)」と呼ばれます。

宝石としてはやや紫がかった濃い青色が珍重されます。
火や酸に強く、変質しづらいと言う特徴があります。
アイディア・ひらめきが欲しいとき、平安・静寂が欲しいとき。


なお、モーゼの十戒は「青い石」に書かれているという伝説がありますが、これは「サファイア」ではなく「ラピスラズリ」のことであるという説もあります。


2021年12月21日(火)15:19  誕生石リスト【5月】

5月の誕生石


緑柱石(エメラルド・Emerald)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ フランス 日本

石言葉:清麗・夫婦愛・幸福・永遠

ベリルの中で、濃く澄んだ緑色を発する物をこう呼びます。
和名として緑柱石の他に「緑玉・翠玉」があります。
クレオパトラがこれを砕き、化粧用に使ったというのは有名な話。
美しい緑に冬が終わると必ず訪れる春を見いだした古人達は、この石を信頼と誠実の象徴と考えました。
ギリシアでは愛の女神ビーナス(アフロディテ)への捧げ物とされていた為、恋人・パートナーへの誠実な愛の証でもあります。
古代ローマの学者達は、澄んだ緑色に目を癒す効果があるのではないかと考えていました。
記憶力を高めたいとき、話術を上達させたいとき、愛を誓うときに
硬度は7.5〜8ですが、比較的ショックに弱い為、ぶつけないように気をつけて下さい。
また、熱にも弱いので、料理をするときなどは外すことが賢明でしょう。




翡翠(ジェイド・Jade/ジェイダイト・Jadeite)
誕生石に指定している国: 日本

石言葉:高貴・有徳・豊穣

深緑の半透明の宝石で、和名・中国名の語源は鳥の「カワセミ」、英名の語源はスペイン語の「piedra de ijada」(腹痛の石)がフランス語に転訛した「pierre de l'e jade」です。
洋の東西を問わず、古来より強力な護符や魔除けとされてきました。
西洋では腹痛の時に脇腹に当てるという「民間療法」が行なわれたこともあります。(おそらく語源から発した物でしょう)
思いを吸収する力が強いので、中古品には前の持ち主の思念が残っていることもあります。
緑・青系の翡翠は穏やかで平和なパワーを放ちます。
高ぶった神経を沈め、疲れた目を癒すとされます。
落ち着きたいとき、アイディアが欲しいときに。
他の色はこちら

ちなみに翡翠には軟玉(ネフライト・Nephrite。モース硬度:6〜6.5。比重:2.9〜3.1。 )と硬玉(翡翠輝石・ジェイダイト・Jadeite。モース硬度:6.5〜7。比重:3.25〜3.35)の二種類があります。
鉱物としては全く違うものですが、総称して「ヒスイ」「ジェイド」と呼ばれています。
二種の鉱物とも硬度は低いものの靭性(割れにくさ)が高く、したがって加工しづらいのですが、加工された物も割れにくいという性質があります。
硬玉と軟玉の区別はつけづらい物ですが、比較的安価で流通している翡翠はおおよそ軟玉であると考えてよいでしょう。



緑玉髄(クリソプレーズ Chrysoprase)
誕生石に指定している国:イギリス

石言葉:喜び・希望・豊穣・創造性・隠された才能

少量のニッケルを含んだ玉髄(カルセドニー)で、黄緑から深緑色を発します。
英名のクリソプレーズの語源はギリシア語の「chrysos(クリソス:金)」と「prason(プラシノス:西洋ニラ)」。
モース硬度は6〜7。
美しい緑色を発し、オーストラリアで多く産出されるため、「オーストラリアンジェイド(豪州翡翠)」と呼ばれることもあります。

ギリシア・ローマ時代から、装飾品として愛されてきた宝石です。

怒りを抑えたい、緊張をほぐしたい、落ち込みやすい、安心感が欲しい、気分を変えたい、といったときに。


2021年12月21日(火)15:17  誕生石リスト【7月】

7月の誕生石


紅玉(ルビー・Ruby)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ 日本
石言葉:情熱・仁愛・威厳・勇気

ラテン語のruber(赤)を語源とする、クロムによって赤色を発するコランダム(鋼玉 主成分はアルミナ)です。
(赤く発色しないコランダムは「サファイア」と総称されます)
ダイアモンドに次いで硬い鉱物のコランダムは(モース硬度は9)、含まれる不純物によって発色が変わります。

ルビーはどのような状態でも赤く光ります。
これは、1〜2%程度含まれているクロムが光エネルギーに反応して自ら赤い光を発するからです。



金紅石(ルチル:二酸化チタン)の針状結晶のインクルージョンがあることによって、星のような反射光が現れるものは「スタールビー」と呼ばれます。



中世には赤い石総てをルビーと呼んでいたため、アンティークアクセサリの中には「ルビー」と名の付いた別の鉱物もあります。
例えば、英王室の大礼用王冠の中央にはめられた「黒太子のルビー(The Black Prince's Ruby)」や、エリザベス女王所有のティモールルビー(Timur Ruby)などは、近年になって鑑定した結果スピネル(尖晶石)だということが判明しました。



火や酸に強く、変質しづらいのが特徴です。
情熱・仁愛・威厳を象徴します。



スフェーン(Sphene)
誕生石に指定している国: 日本
2021年12月20日に7月の誕生石の一つに加えられました。

石言葉は永久不変。

和名は「楔石(くさびいし)」
鉱物名はチタナイト(Titanite)/チタン石。
ケイ酸塩鉱物の一種で、チタンを含有しています。
モース硬度は5〜5.5。
色は黄、緑、褐色、茶、オレンジなど。


チタナイトのなかで、宝石質の物をスフェーンと呼びます。
宝石質のものは、クロムが影響して黄緑色の発色を示すものが多いようです。

ダイヤモンドよりも光の分散度が高く、石の内部で光を複屈折させる性質を持っています。
オリーブグリーンの中に赤いファイヤが見える(分散率の高い宝石が、時に揺らめくような虹色の光を見せる現象)のが特徴。

宝石名の由来は、結晶の形が「楔(くさび)」に似ているとして、ギリシャ語でくさびを意味する「スフェノス/Sphenos」を語源としています。

主な産地は、パキスタン、ミャンマー、スリランカ、ナイジェリア。




紅瑪瑙・紅玉髄(カーネリアン・Carnerian)
誕生石に指定している国:イギリス オーストラリア フランス
石言葉:勝利・目標は達成される

オレンジ色で半透明のカルセドニー。色は白に近いものから、赤みの強い物まで。(縞模様の詰まっていない赤瑪瑙)
ラテン語で新鮮を意味するcarneolusないしは、肉の意であるcarnisを語源としています。
ツタンカーメンの王墓からも発見されており、古くから装飾用・儀式用に珍重され、生活に密接してきた石です。

イスラム教の開祖マホメットがこの石の指輪を右手薬指に填めていたたと言われており、ムスリルにとってはとても重要な石とされます。
キリスト教では十二使徒の聖バルトロマイ(バルトロメオとも。「タルマイの子(バル・タルマイ)」の意。別名をナタナエル)を象徴する石とされています。

二色の色を発しているものはカーネリアンオニキスとも呼ばれ、主にカメオに加工されます。
多くの宗教が神聖視するこの石には、心を静め、集中力を高める力があると信じられています。
また、生命力を強める効果があるとも言われます。




金緑石(アレキサンドライト・Alexandrite)
誕生石に指定している国:アメリカ
※日本では2021年12月20日付けで6月の誕生石に加えられました。

石言葉:光栄・高貴・秘めたる思い・愛と性・二面性

青緑色系スペクトルが強い陽光や蛍光灯の下では深い青緑に、赤色系スペクトルの強い蝋燭や白熱灯の元では赤紫に見える、不思議なクリソベリルです。
微量に鉄、クロムなどの不純物を含み、モース硬度は8.5。

独特の変色は、微量に含まれるクロムが黄色系の光を吸収するうえ、緑系と赤系の両方の色の要素を平均的に持っているためにおきます。

紫外線を吸収する効果が強くあるため、人工的に作られたアレキサンドライトが宇宙船の窓の材料として使用されています。

1830年、ロシア帝国ウラル山脈のエメラルド鉱山で発見され、4月29日に皇帝ニコライ1世に献上されました。
その日は皇太子アレキサンドル2世の12歳の誕生日であったため、この不思議な石は彼の名を冠することとなったのです。
その存在自体が珍しい宝石ですが、特にキャッツアイ効果の出る物が珍重されます。
発見の地ロシアでは、その色合いが当時の軍服と同じであることから、軍人のお守りとされていました。
高貴さ・富・情熱を象徴しています。


2021年12月21日(火)15:15  誕生石リスト【8月】

8月の誕生石


赤縞瑪瑙(サードニクス・Sardonyx)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ フランス 日本
石言葉:幸福な結婚・夫婦和合・円満な家庭

サードオニキスとも表記します。
英名の語源は、ギリシアの古都「サルディス(Sardis)」と縞のある石を表す「オニキス(Onix)」
つまり「サルディスの縞瑪瑙」の意。

赤と白の美しい縞模様が特徴の石英質の石で、玉髄(カルセドニー)の仲間です。
縞模様の厚みが十分にある物は、縞の部分に沿って切り分け、彫刻を施してカメオに加工されます。

縞模様の赤の部分が勇気、白が美徳をを象徴すると言われています。

染色しやすく、加工も容易な為、昔からアクセサリーやお守りとして親しまれています。
昔は魔法妖術を防ぐ高価があると信じられ、身につけるだけで知恵を増し、恐怖心を打ち払って、勝利と幸福をもたらすと考えられてきました。

心のバランスを保ちたいとき、体力を整えたいとき、心地よい眠りを求めるときに。



橄欖石(ペリドット・Perido)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ 日本
石言葉:夫婦の幸福・和合・豊饒・なぐさめ

オリーブグリーンの石の内部にうっすらと黄色い内包物が見える石。
洋名の語源は、ギリシャ語で「緑れん石/ Epidote(エピドート)」 あるいは、アラビア語で「宝石」を意味する「Faridat(ファリダット)」をフランス人が転訛させ「Peridot(ペリドット)」となったなど、諸説有り。

日本語名の橄欖(かんらん)とはオリーブのこと。
この石の色合いがオリーブグリーンであることが語源。
鉱物としてのグループ名もオリビン(olivine)といいます。
(ペリドットという宝石として流通するのは、オリビングループの中のフォルステライト:苦土橄欖石のことです)
マグネシウムとケイ素を主成分とする鉱物で、微量に含まれているニッケルがきれいな涼しげなグリーンを発色させます。

屈折率が高いため、夜の薄明かりの中でも美しい緑色がはっきりと見えます。
このため古代のローマ人はこの石を「イブニングエメラルド(夕方の緑柱石)」と呼んでいました。

太陽と関係深いとされていて、光の射すまっすぐな道筋と正道に立ち返ることを象徴するともいわれます。
パートナーの浮気心が気になるとき、冷静さが欲しいとき、判断に迷っているときに。




スピネル(spinel)
誕生石に指定している国: 日本
2021年12月20日に8月の誕生石の一つに加えられました。

石言葉:内面の充実、安全、目標達成、好奇心

和名は尖晶石(せんしょうせき)。
語源はラテン語で「棘」を意味する spina に由来。
八面体の結晶として産出する。
モース硬度は7.4〜8。

色は無色、赤色系(赤〜ピンク、蛍光ピンク。クロム由来)、青色系(紺〜水色。鉄由来。鮮やかな青色の物はコバルト由来。)、紫色系(濃紫〜ラベンダー。鉄由来)緑色、オレンジ色(鉄とクロムの混合物由来)、褐色、黒色。
ただし黄色は天然での産出がありません(合成石では作れます)

亜鉛を含むものは「ガーノスピネル」と呼ばれ、その中でも主成分が亜鉛の場合はガーナイトと呼ばれます。
ナイジェリアで「ブルーガーナイト(産地:ナイジェリア/カドゥーナ/カゴロ)」と呼ばれる青色のものが産出します。
また、亜鉛とコバルトを含むスピネルはコバルトガーナイトと呼ばれます。

主な産地は、ミャンマー、スリランカ、ナイジェリア。

稀に、キャッツアイ効果、スター効果、カラーチェンジを見せるものが産出します。
ただし、キャッツアイとスターについては、ほとんどの石の地色がチョコレート色であるため、コレクターアイテムとしては喜ばれるものですが、宝石としての流通・使用には期待ができません。。

コバルトを含有したもののなかで、美しいブルーからピンクに鮮やかに変色するカラーチェンジするものがまれにああります。
しかし、コバルトスピネル自体が数が少ないため、カラーチェンジを示すからと言って宝石としての徒が上がるという物でもないようです。

レッドスピネルは長い間ルビーと混同されていました。
これらは古い産地であるアフガニスタンの地名をとって「バラス・ルビー」と呼ばれました。
(1783年、鉱物学者ジャン・バティスト・ルイ・ローマ・デ・ライル(Jean Baptiste Louis Rome de Lisle)がスピネルをルビーとは別の鉱物として鑑別しました)

混同された例として、英王室の大礼用王冠の中央にはめられた「黒太子のルビー(The Black Prince's Ruby)」や、エリザベス女王所有のティモールルビー(Timur Ruby)などは、近年になって鑑定した結果スピネル(尖晶石)だということが判明しました。


2021年12月21日(火)15:14  誕生石リスト【9月】

9月の誕生石


青玉(サファイア・Sapphire)サファイア
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ 日本
石言葉:誠実・徳望・慈愛

ラテン語のsapphirus(青)を語源としています。
主成分は酸化アルミニウム(鋼玉-コランダム)でモース硬度9は。
火や酸に強く、変質しづらいと言う特徴があります。

古代にはは「青い石」の総称でしたが、現在は「赤くない(つまり、ルビー以外の)コランダム」の総称となっています。
青以外のものは「ファンシーカラーサファイア」と呼ばれ、
ピンク、オレンジ、バイオレット、イエロー、グリーン、ブラックなどの色合いがあります。
特に、オレンジとピンクの中間の微妙な色合いをしているものを「パパラチアサファイア(Padparadscha。蓮の花のつぼみ)」と呼んで珍重しています。

しかし、やはり宝石としてはコーンフラワーブルー(矢車草の花の青)と呼ばれるやや紫がかった濃い青色が珍重されます。

ブルーサファイアの色合いは他にも
ロイヤルブルー(透明度の高い、深みのある青色)
かわせみのブルー(透明度の高い青色)
ソフトブルー(濃く鮮やかで深みがある青)
インクブルー(並〜低級品。濃く黒みの強いインクのような青)


光を当てたときに六条または四条の輝きを発する「スター効果・アステリズム(Asterism、星彩効果)」が出る物は「スターサファイア」と呼ばれ、珍重されます。
これは、金紅石(ルチル:二酸化チタン)の針状結晶のインクルージョンがあるものをカボションにカットすると美しく現れます。

サファイアは賢者・聖職者にふさわしい石と言われていて、キリスト教の教皇(法皇)・司祭や、王族が好んで身につけます。

アイディア・ひらめきが欲しいとき、平安・静寂が欲しいとき。


なお、モーゼの十戒は「青い石」に書かれているという伝説がありますが、これはラピスラズリであった可能性もあります。



クンツァイト(kunzite)
誕生石に指定している国:日本
2021年12月20日に9月の誕生石の一つに加えられました。

石言葉:無償の愛、献身、癒し、守護、順応
モース硬度は6.5〜7。

スポジュメン(spodumen:和名はリシア輝石、または、リチア輝石)のうちで、マンガンイオンによってピンク〜すみれ色を発する物をクンツァイトと呼びます。
黄緑色や緑色のものはヒデナイト (hiddenite) 、黄色のものはトリフェイン (triphane) といいます。

クンツァイトという名称は、アメリカの宝石学者であるジョージ・フリードリヒ・クンツ博士に因みます。

クンツァイトは燐光性(phosphorescence:フォスフォレセンス。蛍光性とも)と多色性の二つの性質を持っています。

燐光性とは、紫外線に当たって蛍光を示す宝石が、紫外線照射後も発光を続ける現象です。クンツァイトは、太陽光に当てた後で暗い室内に戻るとキラキラとした光を発します。
しかしその紫外線がクンツァイトの美しいピンク色を奪ってしまうのです。輝きを見るために安易に紫外線を当てると退色して宝石としての価値が下がってしまうことがあります。

多色性とは、見る角度によって色が異なって見える現象の事です。クンツァイトも角度を変えてみると濃いピンクや薄いピンクはそして透明と、様々な表情を見せてくれるます。



瑠璃(ラピスラズリ・Lapis lazuli)
誕生石に指定している国:イギリス オーストラリア

石言葉:高貴・永遠の誓い

ラピス(lapis)はラテン語で「石」、ラズリ(lazuli)は同じく「青」を意味しています。
ラズリ(lazuli)の語源は、アラビア・ペルシャ語で「青・天空」を意味する「アル ラズワルド(al lazward)」。
ラピスラズリは単なる「青い石」ではなく、「天空の石」でもあります。
神秘的な空の青を持つこの石は水晶と並んで世界各地で「聖なる石」とされています。

鉱石としてのラピスラズリは方ソーダ石グループの鉱物4種を主成分とし、他のいくつかの微量鉱物が入り混じった混合物です。
主成分
・ラズライト(Lazurite):青金石
・ソーダライト(Sodalite):方曹達石
・アウイン(Hauyne):藍方石
・ノゼアン(Nosean ノーゼライトとも):黝方石ゆうほうせき

副成分(微量、または含まれない場合も)
・カルサイト(方解石):白い筋。
・パイライト(黄鉄鉱):金色の斑点。
・その他:柱石、斜長石、燐灰石、ジルコンなど

日本では濃い青の中に黄鉄鉱の金が見える物が珍重されます。
そのため和名を青金石と言います。(瑠璃は古い呼び方となります)

強力な力があるとされ、知識と知性を象徴する石です。
試験・受験・成績アップ、ひらめきが欲しい、あと一歩前に進みたい、成功したいときに。

なお、古代ギリシャではこの石を青い石の総称である「サファイア」の名で呼んでいたことがあるようです。
モーセの十戒はサファイアに刻まれているという言い伝えがありますが、恐らくはコランダムのサファイアではなくこのラピスラズリのことでしょう。

また、油絵の具の「ウルトラマリン」、岩絵の具の「群青」は、元々この石を原料としていました。



橄欖石(ペリドット・Perido)
誕生石に指定している国:フランス
石言葉:夫婦の幸福・和合・豊饒・なぐさめ

オリーブグリーンの石の内部にうっすらと黄色い内包物が見える石。
洋名の語源は、ギリシャ語で「緑れん石/ Epidote(エピドート)」 あるいは、アラビア語で「宝石」を意味する「Faridat(ファリダット)」をフランス人が転訛させ「Peridot(ペリドット)」となったなど、諸説有り。

日本語名の橄欖(かんらん)とはオリーブのこと。
この石の色合いがオリーブグリーンであることが語源。
鉱物としてのグループ名もオリビン(olivine)といいます。
(ペリドットという宝石として流通するのは、オリビングループの中のフォルステライト:苦土橄欖石のことです)
マグネシウムとケイ素を主成分とする鉱物で、微量に含まれているニッケルがきれいな涼しげなグリーンを発色させます。

屈折率が高いため、夜の薄明かりの中でも美しい緑色がはっきりと見えます。
このため古代のローマ人はこの石を「イブニングエメラルド(夕方の緑柱石)」と呼んでいました。

太陽と関係深いとされていて、光の射すまっすぐな道筋と正道に立ち返ることを象徴するともいわれます。
パートナーの浮気心が気になるとき、冷静さが欲しいとき、判断に迷っているときに。


2021年12月21日(火)15:10  誕生石リスト【10月】

10月の誕生石


蛋白石(オパール・Opal)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ 日本
石言葉:希望・無邪気・心の歓喜・潔白

サンスクリット語の「upala(貴い石)」が語源。

「オパール」はドイツ語読みで英語読みだと「オーパル」となります。

内部に10%ぐらいまでの水分を含んだ石英の仲間です。
宝石として扱われるものは、ノーブル・オパール(貴蛋白石、Noble Opal)といいます。

透明〜半透明で、ガラス光沢・樹脂光沢があります。
無色のものから乳白色、褐色、黄色、緑色、青色など様々な色合いを持っていますが、
黒や灰色といった暗い色の中に強い遊色効果が出たブラックオパールがもっとも高価だとされています。
色、透明度、遊色効果(光の干渉・回折によって発生する虹色の輝き)の強さにより沢山の「変種」に分類されます。

含まれた水分と石その物の構造によって遊色効果が変わり、様々な色を反射する、この遊色効果という特性から、変化を象徴すると言われています。
比較的もろい石(モース硬度は、5〜6。)で、高熱に晒されたり、乾燥しすぎると割れることがあるので扱いには注意が必要です。
(お店によっては、オパールのショーケースの中に水の入った小瓶やグラスを置いて、乾燥を防いでいます)

忍耐・哀しみを乗り越えることを象徴しています。
現状打破・変化が欲しいとき、柔軟性がほしいとき、優しさが欲しいときに。




電気石(トルマリンTourmaline)
誕生石に指定している国:アメリカ 日本
石言葉:希望
語源はシンハリ語(セイロン島の現地語)で「多くの色を持つ」事を意味する言葉の「トルマリ」(turmali)。
語源の示すとおり、多彩な色合いを発色します。
和名の語源は「地球上に存在する鉱物の中で、唯一自ら電気を帯びる鉱石」であることから。
静電気を帯びており、軽い物質を吸着する作用があります。
このため、静電気や電磁波を防ぐと言われています。
携帯電話のストラップにぴったりの石ですが、まだ研究は始まったばかりです。

歓喜・安楽、そして忍耐と悲哀を克服することを象徴しています。



赤色系のトルマリンをルベライト(Rubellite)と呼びます。
ロマンチックな恋を成就させたいとき、愛を捧げたいとき、チームワークを強めたいときに。

緑色系のトルマリンをヴァーデライト(Verdelite)と呼びます。
痛みから解放されたいとき、商売繁盛・金運のお守りに。

緑系のトルマリンの中で、ネオン光のような青みがかったグリーンに発色したものを特に
パライバトルマリン(Paraiba Tourmaline)と呼びます。
大変希少な「宝石」として扱われています。

わずかに緑がかった青系のトルマリンをインディゴライト(Indigolite)と呼びます。
パライバトルマリンに次ぐ希少さで、やはり高額で取引されます。

黒いトルマリンをショール(Schorl)と呼びます。
精神的なショックから身を守りたいとき、勇気が欲しいときに

緑と赤系の色のバイカラーで、スイカのような色のトルマリンはウォーターメロントルマリン(WaterMelon Tourmaline)と呼びます。
バランスを取りたいとき、協調性が欲しいとき、争い事を収めたいときに。




虎目石(タイガーズアイ・タイガーアイ Tiger's Eye)
誕生石に指定している国:カナダ
石言葉:正しい判断・生命力・浄化・闘志・活力・精神力を養う

リーベック閃石(青石綿)※に二酸化珪素(石英)が染みこんだ、クオーツ(水晶)の変種。
茶色の地色に金の光のシャトヤンシー効果が浮かぶキャッツアイ(Cat's Eye 猫目石)の一種です。
独特の縞模様は、青石綿に含まれる鉄分が酸化することによってつくられます。

灰青色の青虎目(ブルータイガーズアイ)は、鷹目石(ホークアイHawk's Eye 石言葉:成功への導き)とも呼ばれます邪気払いの力が他の猫目石よりも強力だとして、古来より珍重されています。

酸化が進んで(或いは熱処理を施して人工的に酸化を進ませて)赤い色を発する物は「レッドタイガーズアイ(赤虎目石)」と呼びます。
石言葉は「運命の破壊と創造」

塩酸に浸すなどして脱色加工した物は「抜き虎(ぬきトラ)」、染色加工したものは「染め虎(そめトラ)」と呼ばれます。
これらは、安価なため、クリソベリルキャッツアイの代用品として使われますので、キャッツアイをお求めの時は注意が必要。

チャンスを掴みたい、チャレンジしたい、勝ちたい、自信を持ちたい、悪い物から身を守りたいときに。

※注
青石綿はアスベストの仲間ですが、タイガーズアイは二酸化珪素によりがっちり固められていますので、繊維状になって飛散することはありません。安心して身につけて下さい




真珠(パールPearl)
誕生石に指定している国:フランス
石言葉:健康・長寿・富

語源はラテン語の「Pernula(貝)」、あるいは「Pirula(洋梨)」。
(真珠は貝から採れる。天然物は洋梨のようなバロック型のものが多い)

貝が体内に進入した異物を、自己防衛の為に真珠質でコーティングしたもので、厳密には石ではありません。
しかし太古から装飾品、医薬品として使われています。

白い真珠は貞節、純粋、誠実、平和、美、同情、深い愛を象徴するとも言われています。
苦しみ・哀しみを乗り越えたいとき、美しくなりたいとき、物事をやり抜きたいときに。

柔らかなピンク色の真珠は優しく女性的で、かわいらしい印象を与えます。
愛されたいとき、安らぎが欲しいときに。

金色の真珠は長寿と財産を象徴しています。
良縁を望むとき、長寿を祝うとき、金運を高めたいときに。
メモ
貝核真珠(シェルパール)・マザーオブパール・マーメードパールなどと呼ばれている品物は「本真珠」ではありません。
貝核・シェル・マザーは真珠貝の貝殻を研磨したものです。
マーメードは貝殻にパールエッセンスを何重にもコーティングした人工パール。
最近は技術の進歩でプラスチックや樹脂の製品も、本物と見まごう美しい物が増えています。
本真珠が欲しい場合には、注意が必要です。
また、淡水真珠はその名の通り淡水、つまり湖や川で生息するイケチョウガイやカラスガイの種類から取れる真珠です。
小粒の物は安価ですが、大粒で丸いものは本真珠と同じくらいの価格が付く物もあります。




藍玉(アクアマリン・Aquamarine)
誕生石に指定している国:フランス

石言葉:沈着・勇敢・聡明

名前はずばりラテン語で「海水」を意味しています。
エメラルドと同じベリルの仲間で、名前の通り海の水のように青く透き通った石です。
海や水に関連した事柄や声・言葉に関連する事柄に力を発揮するとされ、海外渡航・水難避けのお守りとされてきました。
中世のヨーロッパには
「アクアマリンを口に含むと悪魔を召喚でき、問えば何でも答えさせられる(あるいは意のままに操れる)」
という言い伝えがありました。
この伝承から、この石は言葉に力を与える魔力を持っているとされ、歌・声・言葉を使う仕事をしている人に力を貸すと言われるようになりました。
パートナーと仲直りしたいときや、旅行などの幸運のお守りに
硬度は7.5〜8ですが、比較的ショックに弱い為、ぶつけないように気をつけて下さい。
また、熱にも弱いので、料理をするときなどは外すことが賢明でしょう。


2021年12月21日(火)15:09  誕生石リスト【11月】

11月の誕生石


黄玉(トパーズ・Topaz)トパーズ
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ フランス 日本
石言葉:友愛・希望・繁栄・潔白

石英(水晶)より少し硬い(モース硬度8)珪酸塩鉱物で、主に黄色を発色する透明な石です。
トパズとも表記します。
色合いから、下記のシトリンと混同されることがありますが、別の石です。

宝石としては淡褐色(黄褐色から橙褐色;橙〜黄〜褐)のものがインペリアルトパーズと呼ばれ上質とされています。
また、酸化クロムによりピンク色に発色した「ピンクトパーズ」も愛されています。

日本で多く流通している鮮やかな青・藍色のブルートパーズや、緑色のグリーントパーズは、放射線照射により加工された物。(天然のブルートパーズはライトブルー)

無色透明なカラーレストパーズはかつてはダイアモンドの代用品とされたほど美しい物です。

語源には二説有ります。
一つはギリシャ語で「探し求める」を意味する「topazosトパゾス」ないしは「Topazosトパジオス」と呼ばれていた紅海の「幻の島(現在のセントジョーンズ島)」。、あるいはサンスクリット語で「火・炎」を意味するtapasトパス」。

トパーズ太陽と炎の具象化とされ、友情・友愛・希望・潔白を象徴します。

東洋では胃や陽を丈夫にし、食欲を増進させるのに効果があると信じられてきました。
西洋ではなくした物を取り戻す、探しているものを見つけるとされています。

トラウマ(心の傷)をいやしたいとき、憂鬱を払いたいとき、落ち込んだときに。




黄水晶(シトリン・Citrine)
誕生石に指定している国:アメリカ 日本
石言葉:夢を追って・希望・知恵・繁栄・友情・友愛・希望・潔白

フランス語で柑橘類・レモンを意味する「シトロン(citron)」が語源。
シトリントパーズの名で呼ばれることもあり、上記のトパーズと混同されることもありますが、別の石です。
シトリンは鉄イオンによって黄変した石英(水晶)です。(モース硬度7)

西洋では友情・友愛・希望・潔白を象徴するとされます。

日本では風水で金運を呼ぶとされる黄色を発色していることから、金運・財運向上の力があると言われてもいます。

人間関係とそれになう体調不良の改善に効果があると言われています。
職場での人間関係、学校での友人関係などに疲れたときに。

なお、アメシスト(紫水晶)を加熱した加熱シトリンが広く流通していますが、これは模造品・偽物ではなく「エンハンスメント(改良)品」とされています。
また、シトリンとアメシストのバイカラーの水晶は[アメトリン]と呼ばれ珍重されています。


2021年12月21日(火)15:06  誕生石リスト【12月】

12月の誕生石


土耳古石(トルコ石・ターコイズ・Turquoise)
誕生石に指定している国:アメリカ イギリス オーストラリア カナダ フランス 日本

石言葉:成功・幸運

青から緑色で、蝋やガラスのような光沢のある、不透明な鉱物です。
エジプトからトルコを経由してヨーロッパにもたらされた石であるため、「トルコの石」と呼ばれるようになった石です。

古代から世界中の民族・宗教で神聖視されてきました。
その美しい青は空・空気と水、そして成功を象徴しています。

もっとも高価なのは「アメリカコマドリの卵色」とも呼ばれる、澄んだ強い空色。
不純物として鉄が含まれると、緑色を帯びます。
(チベットなどでは青緑の物の方が価値が高いとされています)
また、濃い茶〜黒の模様が網目状に入ったものも多くあります。この模様が美しい物は「蜘蛛の巣状の母岩」と表現されます。

ターコイズはもろく(モース硬度5.5〜6)変色しやすい石です。
しかし、壊れたり退色したりすることによって、持ち主に降りかかった災難の身代わりになると信じられました。
また人から送られた石が一番強い力を発揮するとも言われています。

柔らかい石である為、天然もので大粒の物は希少価値大。
(逆を言うと、大粒のもので安価な物は、樹脂・プラスチック・セラミック、あるいは代用品や練り物の可能性が……)

もろさを改称するため、樹脂でコーティング・充填した安定性の高いモノもあります。
ターコイズの粉末や欠片を樹脂で練り合わせて整形した物や、外見がよく似た石(ハウライト・マグネサイトなど)にステビライト加工などで染色した代替え品は、比較的安価。

繰り返しになりますが、とても脆く、また薬品にも弱い石です。
アルコールや油分・皮脂によって退色・変色することがあります。
香水やメイク、日焼け止め、ヘアスプレーが直接かからないように注意してください。
直射日光にも注意が必要です。
仕舞うときには柔らかい布で優しく拭いて、他のアクセサリとぶつからないように別けて保管することをお勧めします。

不安を解消したいときに、旅行・移動・車のお守りに、栄達・出世のお守りに、大切な人へのプレゼントに。




瑠璃(ラピスラズリ・Lapis lazuli)
誕生石に指定している国: 日本
石言葉:高貴・永遠の誓い

ラピス(lapis)はラテン語で「石」、ラズリ(lazuli)は同じく「青」を意味しています。
ラズリ(lazuli)の語源は、アラビア・ペルシャ語で「青・天空」を意味する「アル ラズワルド(al lazward)」。
ラピスラズリは単なる「青い石」ではなく、「天空の石」でもあります。
神秘的な空の青を持つこの石は水晶と並んで世界各地で「聖なる石」とされています。

鉱石としてのラピスラズリは方ソーダ石グループの鉱物4種を主成分とし、他のいくつかの微量鉱物が入り混じった混合物です。
主成分
・ラズライト(Lazurite):青金石
・ソーダライト(Sodalite):方曹達石
・アウイン(Hauyne):藍方石
・ノゼアン(Nosean ノーゼライトとも):黝方石ゆうほうせき

副成分(微量、または含まれない場合も)
・カルサイト(方解石):白い筋。
・パイライト(黄鉄鉱):金色の斑点。
・その他:柱石、斜長石、燐灰石、ジルコンなど

日本では濃い青の中に黄鉄鉱の金が見える物が珍重されます。
そのため和名を青金石と言います。(瑠璃は古い呼び方となります)

また、油絵の具の「ウルトラマリン」、岩絵の具の「群青」は、元々この石を原料としていました。

強力な力があるとされ、知識と知性を象徴する石です。
試験・受験・成績アップ、ひらめきが欲しい、あと一歩前に進みたい、成功したいときに。

なお、古代ギリシャではこの石を青い石の総称である「サファイア」の名で呼んでいたことがあるようです。
モーセの十戒はサファイアに刻まれているという言い伝えがありますが、恐らくはコランダムのサファイアではなくこのラピスラズリのことでしょう。




風信子石・風信子鉱(ジルコン・Zircon)
誕生石に指定している国:アメリカ カナダ 日本
2021年12月20日に12月の誕生石の一つに加えられました。

石言葉:安らぎ・祈願・幻覚・夢想・成功

ジルコニウムのケイ酸塩鉱物で、モース硬度:7.5。
赤や黄色、褐色系の色のものが多く産出されてきたことから、アラビア語のZARQUIN(朱色)、またはスペイン語のZARGUN(金色)を語源として名前が付けられました。
和名の風信子とはヒヤシンスのこと。
褐色のジルコンがヒヤシンスと呼ばれていたことから、この文字をあてたようです。

無色、青色、黄色、赤色、褐色、緑色、オレンジ色など様々な色を発します。
(色ごとに石言葉が当てはめられています 後述)
その中で青い物が12月の誕生石として珍重されています。

かつて、透明な物はダイヤモンドの代用品とされたこともあります。
安らぎ・純粋・夢想・幻覚を象徴しています。
芸術的なアイディアが欲しいときに

色別の石言葉
カラーレスジルコン(ホワイトジルコン)「全てをかける恋」
レッドジルコン「平安」
ブルージルコン 「幻覚・夢想」
グリーンジルコン 「平和の願い」
ブルーグリーンジルコン 「去り行く苦しみ」
バイオレットジルコン 「世俗性と精神性」
ピンクジルコン 「苦しみからの救い」
パープルジルコン「おしゃべり」
ブラウンジルコン「至宝の輝き」



同じジルコニウムを主成分とする人工石のキュービックジルコニアは、ダイヤモンドの代用品として4月の誕生石の一つとして数えられることもあります。



灰簾石(かいれんせき)・黝簾石(ゆうれんせき)(タンザナイト・Tanzanite)
誕生石に指定している国:アメリカ 日本
2021年12月20日に12月の誕生石の一つに加えられました。


石言葉: 誇り高き人・高貴・冷静・空想

ゾイサイトの中で、微量のバナジウムを含むことによって青〜青紫色を発するもの。
鉱石としての名称は「ブルーゾイサイト」。
モース硬度 : 6〜7。

見る角度によって微妙に色の変わる多色性が特長です。
(自然光の下では透明な群青色、白熱灯の下では紫色、蛍光灯の下では青色を発する。同時に青と紫、紫と赤を有すること)

タンザナイトというコマーシャルネーム(商業用の名称)の由来は採掘地のタンザニアから。
(鉱石名の「ゾイサイト(zoisite)」の発音が「スイサイド(suicide:自殺)」を連想させると考えたティファニー社が考案)

名前の通りタンザニアで産する青いゾイサイトをこう呼びますが、近年他の産地のブルーゾイサイトもタンザナイトの名称で流通することもあるようです。

美しい石ですが、硬度が低いため傷が付きやすく、さらには劈開性が高いので衝撃を受けると割れてしまうことがあります。

転機に立たされているとき、迷いを生じたとき、判断力が欲しいときに。




縞瑪瑙(オニキス Onix)
誕生石に指定している国:カナダ

石言葉:宗教的思索・成功・雄弁・聡明・夫婦の愛

オニクス・オニックスと発音されることもあります。

ギリシア語のOnix(かぎ爪・縞模様)を語源としており、もともとは縞模様のある瑪瑙(アゲート)・玉髄(カルセドニー)の総称ですが、通常は白と黒のものをこう呼びます。
赤(ブラウン)系の縞模様の物はサードオニキス、オレンジ系のものはカーネリアンオニキスと呼んで区別します。
黒一色のカルセドニーが「ブラックオニキス」と呼ばれることがありますが、語源から考えると、こちらは「ブラックカルセドニー」と呼んだ方が良いのかも知れません。

縞模様の厚みが十分にある物は、縞の部分に沿って切り分け、彫刻を施してカメオに加工されます。

インドの行者が邪念や誘惑を祓うと信じ、カトリックでは情熱を抑制すると考えていた石です。

魔除けとして尊ばれる一方、悪魔を封印した災いを呼ぶ石と考える地域もあるようです。

意志・信念を強め、邪心を祓い、心身を安定させるとされ、戦の護符として使われたこともあります。
浮気心を沈めたいとき、スポーツに打ち込むとき、決別したいとき、強い意志が欲しいときに。




孔雀石(マラカイト Malachite)マラカイト
誕生石に指定している国:フランス
石言葉:名声と栄誉・危険な愛情・危険を察する

英名の語源はその文様がギリシア語で植物の葵を意味するmalache(マラーキー)に似ていることから、和名は孔雀の飾り羽の文様に似ていることから。

銅床(銅の鉱脈)近くで形成される銅を多く含む鉱物(炭酸水酸化銅)です。
濃淡のある美しい緑の縞模様は銅に由来するします。
とても柔らかいので、古代エジプトではアイシャドーとして珍重されていました。
日本画では岩緑青という顔料の原料とされます。
美しい緑色には目と心を癒す効果があります。

脆く割れやすいことから、トルコ石同様に「持つ者の厄災の身代わりになる」と信じられています。
また、研磨によっては「目」のような丸い文様が出るため、「洞察力(見る力、見抜く力)」を象徴するとも、悪いものを睨み付ける守護の力があるとも考えられていました。

モース硬度3.5〜4と柔らかいので、衝撃を与えないように注意してください。
また、酸にも弱いので、お掃除の時などは外してください。

ストレスが溜まっているとき、目が疲れているとき、交渉を成立させたいとき、直感力が欲しいときに。


2021年12月21日(火)13:34  全国宝石卸商協同組合が制定する「日本の誕生石」が2021年12月20日付で改訂になりました。
今日の誕生石は1912年に米国宝石商組合で定められたものを基に、
1952年にアメリカ宝石小売商組合など複数の団体によって改訂されたものが基準となっています。
その後、各国で国情に合わせた改訂が行われているため、宝石の種類が国によって若干の違いがあります。

日本では1958年に全国宝石卸商協同組合が制定した誕生石が広く知られています。
この全国宝石卸商協同組合による誕生石が、2021年12月20日付け改訂され、
日本の誕生石に10種類のジェムストーンが追加されました。

以上を踏まえて、各国(アメリカ/イギリス/オーストラリア/カナダ/フランス/日本)の誕生石のリストをあげます。


アメリカイギリスオーストラリアカナダフランス日本日本(2021年12月20日改訂追加分)
1月の誕生石ガーネットガーネットガーネットガーネットガーネットガーネット
2月の誕生石アメシストアメシストアメシストアメシストアメシストアメシストクリソベリルキャッツアイ
3月の誕生石アクアマリン
ブラッドストーン
アクアマリン
ブラッドストーン
アクアマリン
ブラッドストーン
アクアマリンルビーアクアマリン
サンゴ
ブラッドストーン
アイオライト
4月の誕生石ダイヤモンドダイヤモンド
ロッククリスタル(水晶)
ダイヤモンド
ジルコン
ダイヤモンドダイヤモンド
サファイア
ダイヤモンドモルガナイト
5月の誕生石エメラルドエメラルド
<クリソプレーズ
エメラルド
トルマリン
エメラルドエメラルドエメラルド
ジェイダイト(翡翠)
6月の誕生石ムーンストーン
真珠(パール)
ムーンストーン
真珠(パール)
ムーンストーン
真珠(パール)
カメオ
真珠(パール)
ホワイトカルセドニームーンストーン
真珠(パール)
アレキサンドライト
7月の誕生石ルビー
アレキサンドライト
ルビー
カーネリアン
ルビー
カーネリアン
ルビーカーネリアンルビースフェーン
8月の誕生石ペリドット
サードニクス
ペリドット
サードニクス
ペリドット
サードニクス
ペリドット
サードニクス
サードニクスペリドット
サードニクス
スピネル
9月の誕生石サファイアサファイア
ラピスラズリ
サファイア
ラピスラズリ
サファイアペリドットサファイアクンツァイト
10月の誕生石オパール
トルマリン
オパールオパールオパール
虎目石
真珠(パール)
アクアマリン
オパール
トルマリン
11月の誕生石トパーズ
シトリン
トパーズトパーズトパーズトパーズトパーズ
シトリン
12月の誕生石トルコ石
ジルコン
タンザナイト
トルコ石トルコ石オニキス
ジルコン
トルコ石
マラカイト(孔雀石)
トルコ石
ラピスラズリ

タンザナイト
ジルコン
アメリカイギリスオーストラリアカナダフランス日本日本(2021年12月20日改訂追加分)

2021年12月06日(月)11:00  サンタクロースっているんでしょうか? Is there a Santa Claus?

サンタクロースはいるんだ


YES, VIRGINIA, THERE IS A SANTA CLAUS


ニューヨーク・サン紙社説(担当:フランシス・ファーセラス・チャーチ) The New York Sun (written by Francis Pharcellus Church)


大久保ゆう訳


ニューヨーク・サン新聞 1897年9月21日 社説欄

 本紙は、以下に掲載される投書に対してただちにお答え申し上げるとともに、このようにまっすぐな方が読者におられることを、心から嬉しく思います。

「こんにちは、しんぶんのおじさん。
 わたしは八さいのおんなのこです。じつは、ともだちがサンタクロースはいないというのです。パパは、わからないことがあったら、サンしんぶん、というので、ほんとうのことをおしえてください。サンタクロースはいるのですか?
ヴァージニア・オハンロン」

 ヴァージニア、それは友だちの方がまちがっているよ。きっと、何でもうたがいたがる年ごろで、見たことがないと、信じられないんだね。自分のわかることだけが、ぜんぶだと思ってるんだろう。でもね、ヴァージニア、大人でも子どもでも、何もかもわかるわけじゃない。この広いうちゅうでは、にんげんって小さな小さなものなんだ。ぼくたちには、この世界のほんの少しのことしかわからないし、ほんとのことをぜんぶわかろうとするには、まだまだなんだ。

 じつはね、ヴァージニア、サンタクロースはいるんだ。愛とか思いやりとかいたわりとかがちゃんとあるように、サンタクロースもちゃんといるし、そういうものがあふれているおかげで、ひとのまいにちは、いやされたりうるおったりする。もしサンタクロースがいなかったら、ものすごくさみしい世の中になってしまう。ヴァージニアみたいな子がこの世にいなくなるくらい、ものすごくさみしいことなんだ。サンタクロースがいないってことは、子どものすなおな心も、つくりごとをたのしむ心も、ひとを好きって思う心も、みんなないってことになる。見たり聞いたりさわったりすることでしかたのしめなくなるし、世界をいつもあたたかくしてくれる子どもたちのかがやきも、きえてなくなってしまうだろう。

 サンタクロースがいないだなんていうのなら、ようせいもいないっていうんだろうね。だったら、パパにたのんで、クリスマスイブの日、えんとつというえんとつぜんぶを見はらせて、サンタクロースをまちぶせしてごらん。サンタクロースが入ってくるのが見られずにおわっても、なんにもかわらない。そもそもサンタクロースはひとの目に見えないものだし、それでサンタクロースがいないってことにもならない。ほんとのほんとうっていうのは、子どもにも大人にも、だれの目にも見えないものなんだよ。ようせいが原っぱであそんでいるところ、だれか見たひとっているかな? うん、いないよね、でもそれで、ないってきまるわけじゃない。世界でだれも見たことがない、見ることができないふしぎなことって、だれにもはっきりとはつかめないんだ。

 あのガラガラっておもちゃ、中をあければ、玉が音をならしてるってことがわかるよね。でも、目に見えない世界には、どんなに力があっても、どれだけたばになってかかっても、こじあけることのできないカーテンみたいなものがかかってるんだ。すなおな心とか、あれこれたくましくすること・したもの、それから、よりそう気もちや、だれかを好きになる心だけが、そのカーテンをあけることができて、そのむこうのすごくきれいですてきなものを、見たりえがいたりすることができる。うそじゃないかって? ヴァージニア、いつでもどこでも、これだけはほんとうのことなんだよ。

 サンタクロースはいない? いいや、今このときも、これからもずっといる。ヴァージニア、何ぜん年、いやあと十万年たっても、サンタクロースはいつまでも、子どもたちの心を、わくわくさせてくれると思うよ。

※ そのあと、ヴァージニアはニューヨークの学校の先生になって、四七年間子どもたちを教えつづけたそうです。



翻訳の底本:The New York Sun (1897) "Yes, Virginia, There is a Santa Claus"
   上記の翻訳底本は、著作権が失効しています。
   2002(平成14)年10月1日初訳
   2011(平成23)年12月9日改訳
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翻訳者:大久保ゆう
2014年3月24日作成
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"Yes, Virginia, There is a Santa Claus"

We take pleasure in answering thus prominently the communication below, expressing at the same time our great gratification that its faithful author is numbered among the friends of The Sun:

Dear Editor—

I am 8 years old. Some of my little friends say there is no Santa Claus. Papa says, "If you see it in The Sun, it's so." Please tell me the truth, is there a Santa Claus?

Virginia O'Hanlon
115 West Ninety Fifth Street

Virginia, your little friends are wrong. They have been affected by the skepticism of a skeptical age. They do not believe except they see. They think that nothing can be which is not comprehensible by their little minds. All minds, Virginia, whether they be men's or children's, are little. In this great universe of ours, man is a mere insect, an ant, in his intellect as compared with the boundless world about him, as measured by the intelligence capable of grasping the whole of truth and knowledge.

Yes, Virginia, there is a Santa Claus. He exists as certainly as love and generosity and devotion exist, and you know that they abound and give to your life its highest beauty and joy. Alas! how dreary would be the world if there were no Santa Claus! It would be as dreary as if there were no Virginias. There would be no childlike faith then, no poetry, no romance to make tolerable this existence.

We should have no enjoyment, except in sense and sight. The external light with which childhood fills the world would be extinguished.

Not believe in Santa Claus! You might as well not believe in fairies. You might get your papa to hire men to watch in all the chimneys on Christmas Eve to catch Santa Claus, but even if you did not see Santa Claus coming down, what would that prove? Nobody sees Santa Claus, but that is no sign that there is no Santa Claus. The most real things in the world are those that neither children nor men can see. Did you ever see fairies dancing on the lawn? Of course not, but that's no proof that they are not there. Nobody can conceive or imagine all the wonders there are unseen and unseeable in the world.

You tear apart the baby's rattle and see what makes the noise inside, but there is a veil covering the unseen world which not the strongest man, nor even the united strength of all the strongest men that ever lived could tear apart. Only faith, poetry, love, romance, can push aside that curtain and view and picture the supernal beauty and glory beyond. Is it all real? Ah, Virginia, in all this world there is nothing else real and abiding.

No Santa Claus! Thank God! He lives and lives forever. A thousand years from now, Virginia, nay 10 times 10,000 years from now, he will continue to make glad the heart of childhood.

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"Is There a Santa Claus?" reprinted from the September 21, 1897, number of The New York Sun.


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